(消化器病学会)
厚労省研究班で作成された治療指針•ガイドラインや、抗TNF-α抗体製剤をはじめとする新たな治療法の登場により、炎症性腸疾患(IBD)の治療は飛躍的に進歩し、患者のQOLは確実に向上しつつある。しかし、様々な治療を駆使しても治療に難渋するIBD症例も少なくない。クローン病(CD)では抗TNF-α抗体製剤の二次無効例があり、潰瘍性大腸炎(UC)ではステロイド抵抗•依存例での抗TNF-α抗体製剤や免疫調節剤の不応例•不耐例などがあげられる。CD術後の短腸症候群や、UC術後の回腸嚢炎、UCに合併する胃十二指腸病変、IBDの腸管外合併症に対する治療に難渋することも稀ではない。本邦のIBD患者数は年々増加傾向にあり、今後このような症例に遭遇する機会が増えてくることが予想される。本ワークショップでは、治療に難渋するIBD症例に対して、どのような治療を実施しているのか、各施設での戦略を御発表いただきたい。治療に難渋するIBD症例の特徴や難治に陥らないための工夫、難治例に対し適切な治療を行うために何が大切か、などもあわせて御提示いただきたい。