(内視鏡学会)
ESDは、咽頭・食道から大腸までの早期消化管癌に対して外科手術に匹敵する優れた治療効果を発揮することが明らかになり、現在ではその有用性が認知され、全国的に広く普及しています。しかしながら、各臓器特有の合併症も存在し、その克服が、さらなるESDの発展につながるものと思われます。食道ESDにおいては、術後狭窄対策が最大の課題であり、十二指腸及び大腸ESDにおいては、術中穿孔や遅発性穿孔の頻度が高く、その対策が必要となります。また、2012年抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドラインが作成され、今後はESDにおいても抗血栓薬の継続または中止を適切に判断することが必要な時代になってきました。しかし、抗血小板薬内服継続下及び抗凝固薬・ヘパリン置換法下ESDにおいては、出血合併症、特に後出血の頻度が高まることが予想され、新たな後出血対策が必要と思われます。そこで、本シンポジウムでは今後のESD のさらなる発展のため避けては通れない偶発症に関して、その実態と克服方法について論じたいと思います。消化管ESDについて幅広く演題を募集いたします。